【人間関係】親との関係
医療福祉関係の仕事をしていると、会社勤めをしている頃に比べると、はるかに多くのご家族と知り合うし、家族って、ほんとうに一つとして同じものはなく、それぞれ特徴をもっているなぁと実感する。
特に、病気や障害といった、人生の中でも日常とは異なる場面で立ち会うことになるので、それまでの家族のあり方、関係性とかがよりはっきりと見えてくるのかもしれない。
そんな中で、夫婦の関係性、親子の関係性、他者との関係性、人生の価値観、など、さまざまな面が浮き彫りになってくるけれど、親子の関係性は、自分のことを考える上でも、とても考えさせられることがある。
親は、子供が幼い頃には、ある意味絶対的な存在であるし、子供の価値観、社会や他者との関係性を築く上で、とても重要な影響を与える存在だ。
そして、子供が大人になる過程で、今度は自分の価値観、人生の生き方を再構築していき、自分にとっての生き方、自分らしさを自覚して、親との人間関係も再構築しながら生きていくのだと思う。
その関係性が、健全なものだと問題ないのだろうけれど、
多くの場合、無意識に、無自覚に、悪意なく、逆に当人は良かれと思って、相手を抑圧し、コントロールしてしまっている。コントロールそのものが、全て悪いわけではないけれど、相手を、その人らしさ、その人の本質を何らか抑圧し、歪めてしまうものであるのならば、それは、好ましくない関係を生んでしまう。
そして、多くの場合、家族だから、親だから、子供だから、といった言葉で、その好ましくない関係を我慢しなければならない、継続しなければならない、反抗してはならない、といった考えに自分や相手を制限してしまうことも多い。
自分の好き勝手に生きたらいい、ということではなく、親や子供のことなんて気にしなくていい、ということでもなく、ただ、自分の尊厳を、自分の本質を歪め、下げてしまう関係性であれば、それは見直す必要があるということだ。
そして、再構築しようとしても、それが難しい場合には、いったんその関係性から離れることも、時には必要である、ということだ。
家族、という自分の存在そのものが生まれた場所を離れることは、絶対的な安心を失うことのようで恐さも伴うけれど、いまの時点での家族そのものが、安心の場ではないのならば、そこに居続けることで、言葉にならない不安を生み出してしまうかもしれないから、自分を信じて、離れてみることも必要だ。
相手が変わるかどうかは、相手の問題であるのだから、こちらがどうすることもできない。
だから、まずは自分自身を信じて動くこと。
自分を信じることができれば、本当はなんだって大丈夫だと思う。